「自分ファースト」と聞くと、わがままや自己中心的な態度と混同されがちです。
けれど、本来の意味はまったく違います。
社会の中で、私たちはさまざまな関わりを持ちます。相手の意見を聞き、自分の主張には責任を持ち、そのうえで自分の気持ちや考えを大切にする・・。
そのために「自分を優先できる環境」を整えていくことが「自分ファースト」です。
ときには誰かをサポートすることもあるでしょう。けれど、それも「自分がそうしたいから」こそ。
つまり、広い意味での自分ファーストなのです。
やりたいことだけをして、やりたくないことは避ける。できないことを人のせいにする。
これは社会性を欠いた行動であり、結局は孤立へとつながります。そんな状態は「自分ファースト」ではなく、「自分しか見えていない」状態です。
最近は「空気を読まない」ことを自由と勘違いし、それを「自分ファースト」と言い張る人もいます。
けれどそれは、自己主張や権利を振りかざすばかりで責任を取らない、大人になりきれていない姿に思えて仕方ないです。
とはいえ、相手の気持ちは本当のところ分からないものです。想像しても外れてしまうことは多々あります。それでも「相手の立場に思いを巡らす時間」は、自分の心を豊かにしてくれます。
つまり、自分を大切にすることと、相手を思いやることは矛盾しません。
両方があってこそ「本当の自分ファースト」なのです。
私がセッションで「自分ファーストで」とお伝えする方の多くは「自分を押し殺しすぎ」ています。
心の声が聞こえなくなってしまうほど我慢している方には、まずはこうお伝えします。
「とにかく、ご自分を一番大切にしてくださいね」
「わがままを言ってもいいんですよ!」
まずは心に素直に、自分の声をきちんと聴いてあげてください。
心が元気になれば、社会の中で自分のタイミングやポジション、強みを活かしながら、「自分ファーストな生き方」を整えていけます。
それがよりしなやかに、より自分らしく生きる・・「自分ファースト」のための第一歩です。

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